タカラモノ、その1。

皆さま、お久しぶりです。オーナー辰巳七桜子です。
前回のブログで「明けましておめでとうございます」と書いて、その後、ハッと気がついたら3月になってる…
時の流れの速さに、最近ついていけてない私です。(トホホ)


さて、3月といえば、3日はひな祭りですね。
うちの下の子は女の子で、今年のひな祭りで初節句を迎えます。


私の母が、うちの子(つまり孫)の為に「新しいひな人形を買ってあげようか」と言ってくれました。
すごくその気持ちは嬉しかったけれど、断りました。
うちには、古くて小さめだけど、私にとっては大切な大切なひな人形があるのです。


………さかのぼること、40年ほど前………


私には姉がいるのですが、その姉が産まれて初節句を迎える時に、祖母が母に「ひな人形を買いに行こう」と言ってくれたそうです。


今でこそ、小さめのひな人形はメジャーですが、当時は五段や七段はある大きく立派なひな人形が主流。
でも、うちは転勤族だったので、その当時、自宅は小さな仮住まい。これからもまだ、仮住まいが続く…
高度経済成長期のサラリーマン家庭では、転勤族も増えてきていた時期で、そんな家庭の為に、小さめのひな人形が作られ始めた…そんな時代だったそうです。


結局当時、まだ珍しかった小さめのガラスケースに入ったひな人形を祖母が買ってくれて、その後ずっとひな祭りには母が部屋に飾ってくれていました。



正直に言うと、小学生の時、一瞬、お友達の家にどどーんと飾ってある七段飾りのひな人形を羨ましく思ったこともありましたが(笑)
今では、我が家の大切な大切なタカラモノです。




度重なる引越しで、ぼんぼりが歪んでしまってたりもしますが、それもまた愛おしい。
ずっと長く大切にしていると、一つのお人形にもたくさんの想い出が詰まってくるのですね。
そういうエピソードを、いつか成長した娘に話して、受け継いでいって欲しい。
そして、そんな想い出をもひっくるめて、このひな人形を大切にして欲しいな、と思っています。




日本の人形職人の手によって、一つ一つ手作りされています。よく見ると、細部まで、本当に丁寧に作られてます。それを考えるとますます大切に飾りたくなります。


Vesna!には、心を込めて作られたハンドメイドのお人形がたくさんあります。
店内でぼんやりとそのお人形たちを眺めながら「この子たちも、いつかはVesna!から飛び立って、誰かの想い出の詰まったお人形となる時がくるんだな、うちのひな人形みたいに。ずっと大切にして頂けたらいいな…」と思っています。



「なんだか、照れてしまいますわ〜オホホホ〜」って言ってるみたい(笑)